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鎬造、庵棟。鍛は板目ごころに肌立ち沸つく。刃文は中直刃、匂口締まりごころに小沸つく。帽子は直ぐに丸く返る。表裏ともに棒樋を掻き通す。棟には矢や刀を受けた際についたと思われる疵が複数残る。本品の作者と伝わる實阿は、西蓮の子にして左文字(大左)の父とされる刀工である。元弘3年(1333)銘の太刀(重要文化財、愛知・熱田神宮蔵)や建(武)2年(1335)の折返銘作(重要美術品、兵庫・黒川古文化研究所蔵)、『往昔抄』に収載されている嘉暦2年(1327)銘の押形などの紀年銘作から、その作刀時期は、鎌倉時代末期から南北朝時代初期とみられる。また、『光山押形』に「筑前国宇美實阿作」の短刀が収載されていることを踏まえると、筑前国の宇美(福岡県糟屋郡宇美町)で作刀をしていたことをうかがわせる。その作風は、板目肌が流れて肌立ち、ときに綾杉風を呈するように荒ぶるところがあり、また刃文はうるみごころに直刃を焼いて金筋や砂流しがかかる。本品は大磨上無銘ではあるものの、こうした点を顕著に認めることができる。 <望月規史執筆, 2026>
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鎬造、庵棟。鍛は板目ごころに肌立ち沸つく。刃文は中直刃、匂口締まりごころに小沸つく。帽子は直ぐに丸く返る。表裏ともに棒樋を掻き通す。棟には矢や刀を受けた際についたと思われる疵が複数残る。本品の作者と伝わる實阿は、西蓮の子にして左文字(大左)の父とされる刀工である。元弘3年(1333)銘の太刀(重要文化財、愛知・熱田神宮蔵)や建(武)2年(1335)の折返銘作(重要美術品、兵庫・黒川古文化研究所蔵)、『往昔抄』に収載されている嘉暦2年(1327)銘の押形などの紀年銘作から、その作刀時期は、鎌倉時代末期から南北朝時代初期とみられる。また、『光山押形』に「筑前国宇美實阿作」の短刀が収載されていることを踏まえると、筑前国の宇美(福岡県糟屋郡宇美町)で作刀をしていたことをうかがわせる。その作風は、板目肌が流れて肌立ち、ときに綾杉風を呈するように荒ぶるところがあり、また刃文はうるみごころに直刃を焼いて金筋や砂流しがかかる。本品は大磨上無銘ではあるものの、こうした点を顕著に認めることができる。
<望月規史執筆, 2026>
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