当サイトではJavaScriptを使用しております。 JavaScriptをONにして再読み込みを行ってください。
女性用の夏向きの衣類。本作のように、幾何学的な有職文様と植物・動物文様を取り合わせた小袖および帷子は、18世紀末から19世紀前半にかけての、武家ゆかりの遺例に多く見られる。透明感のある麻糸(苧麻か)による白平地に、金糸と絹糸(紫、紅、萌黄、緑)にて刺繍をほどこす。また一部の花や葉の輪郭線および葉脈を骨描きにて表す。他にも、車輪や花の一部には鹿子様の型染めである摺匹田を入れる。背面の文様構成は御所車の暗示である車輪を、2つで1揃えとしてやや斜めに配置されるように散らす。またその間には、同様に植物文様を散らす。植物はそれぞれ菊、藤、桜、牡丹、葵の5種類の文様による。衿は内側に折りたたまれ、糸で縫い留められており、着用の痕跡が認められる。また、袖は文様が途中で途切れていることから、当初は少し振りがあったと推測される。I288「白綸子地花菱に花束文様繍小袖」と共に伝世したとされる。 <桑原有寿子執筆, 2025>
画像のご利用について
前のページへ戻る
ページの先頭へ戻る
女性用の夏向きの衣類。本作のように、幾何学的な有職文様と植物・動物文様を取り合わせた小袖および帷子は、18世紀末から19世紀前半にかけての、武家ゆかりの遺例に多く見られる。透明感のある麻糸(苧麻か)による白平地に、金糸と絹糸(紫、紅、萌黄、緑)にて刺繍をほどこす。また一部の花や葉の輪郭線および葉脈を骨描きにて表す。他にも、車輪や花の一部には鹿子様の型染めである摺匹田を入れる。背面の文様構成は御所車の暗示である車輪を、2つで1揃えとしてやや斜めに配置されるように散らす。またその間には、同様に植物文様を散らす。植物はそれぞれ菊、藤、桜、牡丹、葵の5種類の文様による。衿は内側に折りたたまれ、糸で縫い留められており、着用の痕跡が認められる。また、袖は文様が途中で途切れていることから、当初は少し振りがあったと推測される。I288「白綸子地花菱に花束文様繍小袖」と共に伝世したとされる。
<桑原有寿子執筆, 2025>
画像のご利用について