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平絹地に垣と植物文を友禅染で表した小袖。植物文の一部には、白上がりおよび描き絵が用いられる。また菊の葉の一部は型鹿子(摺匹田)にて表される。染織技法としての友禅染は、貞享(1684-88)の頃までに成立した。当初は白場に窓文様を設けてその輪郭を植物で彩る表現が多かったが、次第に自由に文様を表すことができるという特性を生かし、様々な絵画的な表現を持つ小袖が作られることとなった。本品は左腰に空間を開けた文様構成や、垣の内側を白場にのこす表現、生地に縮緬を用いていないところに古様が見られる。一方、花弁に用いられる反対色のぼかしや、背面から前面にかけての文様にやや連続性が見られる構成からは、時代の下る様子が見られる。元禄13年(1700)の雛形『当流七宝常盤ひいなかた』には、植物文は伴わないものの、屏風を同構図で配する作例が見られる。これらにより、本品は元禄(1688-1704)から正徳(1711-16)頃にかけての、江戸中期の作例と考えられる。
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平絹地に垣と植物文を友禅染で表した小袖。植物文の一部には、白上がりおよび描き絵が用いられる。また菊の葉の一部は型鹿子(摺匹田)にて表される。染織技法としての友禅染は、貞享(1684-88)の頃までに成立した。当初は白場に窓文様を設けてその輪郭を植物で彩る表現が多かったが、次第に自由に文様を表すことができるという特性を生かし、様々な絵画的な表現を持つ小袖が作られることとなった。本品は左腰に空間を開けた文様構成や、垣の内側を白場にのこす表現、生地に縮緬を用いていないところに古様が見られる。一方、花弁に用いられる反対色のぼかしや、背面から前面にかけての文様にやや連続性が見られる構成からは、時代の下る様子が見られる。元禄13年(1700)の雛形『当流七宝常盤ひいなかた』には、植物文は伴わないものの、屏風を同構図で配する作例が見られる。これらにより、本品は元禄(1688-1704)から正徳(1711-16)頃にかけての、江戸中期の作例と考えられる。
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