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下地に胡粉を塗り、唐草文と二重菱の雲母摺りした唐紙に界線が引かれた料紙を用い、『三宝絵詞』の「忍辱波羅蜜」の一部を書写した断簡。『三宝絵詞』は、出家した冷泉天皇の皇女・尊子内親王のために、源為憲が撰述した仏教説話集。本来は絵を添えたものだが、詞書のみ残る。本品に書写されているのは、六波羅蜜の一つ「忍辱波羅蜜」の説話の一部。 「東大寺切」は、重要文化財「三宝絵」(名古屋市博物館蔵)、いわゆる「関戸本三宝絵」から切り出されたもの。切名の典拠は不明だが、「関戸本三宝絵」から切り出された断簡に、東大寺のことが記されていたことによるともいわれる。この「関戸本三宝絵」の奥書には、「保安元年六月七日書うつしおわんぬ」とあり、本品の書写年代を知ることができる。源俊頼を伝承筆者とするが、確証はない。軽快な運筆で、筆の転折にその技量が垣間見える。
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下地に胡粉を塗り、唐草文と二重菱の雲母摺りした唐紙に界線が引かれた料紙を用い、『三宝絵詞』の「忍辱波羅蜜」の一部を書写した断簡。『三宝絵詞』は、出家した冷泉天皇の皇女・尊子内親王のために、源為憲が撰述した仏教説話集。本来は絵を添えたものだが、詞書のみ残る。本品に書写されているのは、六波羅蜜の一つ「忍辱波羅蜜」の説話の一部。
「東大寺切」は、重要文化財「三宝絵」(名古屋市博物館蔵)、いわゆる「関戸本三宝絵」から切り出されたもの。切名の典拠は不明だが、「関戸本三宝絵」から切り出された断簡に、東大寺のことが記されていたことによるともいわれる。この「関戸本三宝絵」の奥書には、「保安元年六月七日書うつしおわんぬ」とあり、本品の書写年代を知ることができる。源俊頼を伝承筆者とするが、確証はない。軽快な運筆で、筆の転折にその技量が垣間見える。
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