『世界の舞台』(Theatrum Orbis Terrarum)は、大航海時代の成果をもとに、アントウェルペン(現ベルギー)出身の地理学者・地図作者のアブラハム・オルテリウス(Abraham Ortelius、1527-1598)が編集した地図帳。初版は1570年のラテン語で刊行され、53葉70種の地図が収録された。『世界の舞台』は大変な評判を呼び、その後1612年までに、フランス語、ドイツ語、オランダ語、スペイン語、英語、イタリア語に翻訳され、42版を重ねるほどの人気の地図で、収録される地図もその都度増加した。本品は1579年のラテン語版で、93葉115種の地図が収録される。1579年版の特筆すべき点は3点あり、まず1点目は歴史地図3図とプトレマイオス『地理学』所載の地名リストを追加したことである。2点目はそれまでの版になかったオルテリウスの肖像画が掲載されたことである。3点目はこの版以降、プランタン印刷所で印刷・販売されたことである。近代的な世界地図帳の嚆矢であり、商人や航海者による世界地図の需要に応えたものでもある本品は、ヨーロッパとアジアとの邂逅を示す優品であると考えられる。
『世界の舞台』(Theatrum Orbis Terrarum)は、大航海時代の成果をもとに、アントウェルペン(現ベルギー)出身の地理学者・地図作者のアブラハム・オルテリウス(Abraham Ortelius、1527-1598)が編集した地図帳。初版は1570年のラテン語で刊行され、53葉70種の地図が収録された。『世界の舞台』は大変な評判を呼び、その後1612年までに、フランス語、ドイツ語、オランダ語、スペイン語、英語、イタリア語に翻訳され、42版を重ねるほどの人気の地図で、収録される地図もその都度増加した。本品は1579年のラテン語版で、93葉115種の地図が収録される。1579年版の特筆すべき点は3点あり、まず1点目は歴史地図3図とプトレマイオス『地理学』所載の地名リストを追加したことである。2点目はそれまでの版になかったオルテリウスの肖像画が掲載されたことである。3点目はこの版以降、プランタン印刷所で印刷・販売されたことである。近代的な世界地図帳の嚆矢であり、商人や航海者による世界地図の需要に応えたものでもある本品は、ヨーロッパとアジアとの邂逅を示す優品であると考えられる。
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