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前輪・後輪の外側を平らとするいわゆる海無鞍で、前輪の肩に手形を刳る。総体黒漆地とし両輪外側中央には、金銀平蒔絵と金貝、朱漆で丸に木字逆卍紋、その左右には先端に頂華をつけた鋸歯文を表す。鋸歯文の端部には、西洋建築で見られる頂上飾りが描かれており、この意匠が近世に入って流行する南蛮文様の類であることがわかる。鞍橋と蒔絵の年代に開きがあるから、おそらく無文の鞍橋に後世、南蛮風の加飾を施したものであろう。伝来や所用者などの詳細は残念ながら不明であるが、異国趣味の広まりが感じられる貴重な作例である。
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前輪・後輪の外側を平らとするいわゆる海無鞍で、前輪の肩に手形を刳る。総体黒漆地とし両輪外側中央には、金銀平蒔絵と金貝、朱漆で丸に木字逆卍紋、その左右には先端に頂華をつけた鋸歯文を表す。鋸歯文の端部には、西洋建築で見られる頂上飾りが描かれており、この意匠が近世に入って流行する南蛮文様の類であることがわかる。鞍橋と蒔絵の年代に開きがあるから、おそらく無文の鞍橋に後世、南蛮風の加飾を施したものであろう。伝来や所用者などの詳細は残念ながら不明であるが、異国趣味の広まりが感じられる貴重な作例である。
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