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鉄製の心棒を軸とした鑞形鋳造による青銅製の装飾金具。青銅部分は弓なりに曲線を描く龍形の神獣ナーガをあらわす。頭部は頭頂部が高くせり出し、大きく開いた口からは舌を出して上顎・下顎からは牙を生やす。胴は細長い断面円形で、S字状に伸びる。過半の正面には菱形の飾り板をつけ、同心円文を中心に四方に心葉文と珠文を交互に鋳出す。一方背側には鉤形の尾翼が上方へ向かってうねるように伸びる。下端には枘をつくる。本品のように頭頂部を角のように高く尖らせ舌を出した龍頭形の青銅製装飾金具は、タイのスコータイ時代、アユタヤー時代の作例として現地で類品が確認できる。現地では、王の持物あるいは王権の象徴のひとつとして考えられる弓(ヴィシュヌ神の光の弓サルンガ)であるとの説もあるが、これらはその構造から2部ないし3部からなるパーツの一つと考えられるため、その用途は弓以外の可能性もある。
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鉄製の心棒を軸とした鑞形鋳造による青銅製の装飾金具。青銅部分は弓なりに曲線を描く龍形の神獣ナーガをあらわす。頭部は頭頂部が高くせり出し、大きく開いた口からは舌を出して上顎・下顎からは牙を生やす。胴は細長い断面円形で、S字状に伸びる。過半の正面には菱形の飾り板をつけ、同心円文を中心に四方に心葉文と珠文を交互に鋳出す。一方背側には鉤形の尾翼が上方へ向かってうねるように伸びる。下端には枘をつくる。本品のように頭頂部を角のように高く尖らせ舌を出した龍頭形の青銅製装飾金具は、タイのスコータイ時代、アユタヤー時代の作例として現地で類品が確認できる。現地では、王の持物あるいは王権の象徴のひとつとして考えられる弓(ヴィシュヌ神の光の弓サルンガ)であるとの説もあるが、これらはその構造から2部ないし3部からなるパーツの一つと考えられるため、その用途は弓以外の可能性もある。
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