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横長の直方体で、中空の作りである。上面の前縁と後縁の中央では幅広台形のホゾ状の部位がそれぞれ突出する。横長で正・背面に画像を飾る本作は、もともと墓室の入口である墓門を構築した建材のひとつであったか、部屋同士を区画する壁の一部だったものと考えられる。 正面と背面の文様構成および配置はほぼ共通している。上中下に刻線を水平方向に引き、画面を上段と下段とに区画する。その上段に車馬出行文帯を展開させ、下段に13個ないし14個の樹木文を横に連続させる。車馬出行文帯および樹木文帯の左右両側にも区画線が垂直方向に刻まれる。車馬出行文は正面向かって左から右へと向かう車馬行列を表している。先頭の2人の騎馬人物が1頭立馬車を先導し、さらにその後ろに1人の騎馬人物と2頭立馬車がつづく。背景には雲気か山が表されている。正面と背面にある突出部の基部にも区画線が水平方向に刻まれる。正・背面の下縁には斜行櫛歯状文帯を飾る。 画像を彫刻した小さなスタンプを空心塼に捺印する技術は、前漢時代後期から後漢時代前期にかけて現在の河南省中部で発達した。また、一つひとつの画題は当時の人々があこがれた神仙世界や神話の場面などが描かれていると考えられ、精神世界の諸相を物語る重要な資料でもある。 <川村佳男執筆, 2026>
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横長の直方体で、中空の作りである。上面の前縁と後縁の中央では幅広台形のホゾ状の部位がそれぞれ突出する。横長で正・背面に画像を飾る本作は、もともと墓室の入口である墓門を構築した建材のひとつであったか、部屋同士を区画する壁の一部だったものと考えられる。
正面と背面の文様構成および配置はほぼ共通している。上中下に刻線を水平方向に引き、画面を上段と下段とに区画する。その上段に車馬出行文帯を展開させ、下段に13個ないし14個の樹木文を横に連続させる。車馬出行文帯および樹木文帯の左右両側にも区画線が垂直方向に刻まれる。車馬出行文は正面向かって左から右へと向かう車馬行列を表している。先頭の2人の騎馬人物が1頭立馬車を先導し、さらにその後ろに1人の騎馬人物と2頭立馬車がつづく。背景には雲気か山が表されている。正面と背面にある突出部の基部にも区画線が水平方向に刻まれる。正・背面の下縁には斜行櫛歯状文帯を飾る。
画像を彫刻した小さなスタンプを空心塼に捺印する技術は、前漢時代後期から後漢時代前期にかけて現在の河南省中部で発達した。また、一つひとつの画題は当時の人々があこがれた神仙世界や神話の場面などが描かれていると考えられ、精神世界の諸相を物語る重要な資料でもある。
<川村佳男執筆, 2026>
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