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小山やす子(こやまやすこ、1924-2019)は、現代の書壇を代表する書家の一人。川口芝香(1896-1981)に師事。日展会員賞(平成8年〈1996〉)、毎日書道展文部科学大臣賞(平成14年〈2002〉)、第44回毎日芸術賞(平成15年〈2003〉)、恩賜賞・日本芸術院賞(平成21年〈2009〉)を受賞し、また旭日小綬章(平成15年〈2003〉)、紺綬褒章(平成25年〈2013〉)を受章するなど、輝かしい業績を誇る。さらに平成28年(2016)には、書の分野で女性初の文化功労者に選出された。毎日芸術賞を受賞した「伊勢物語屏風」(成田山書道美術館所蔵)は、小山自身そして平成を代表する仮名作品の一つである。 小山の書は、ダイナミックでのびのびとした華やかな書風が特徴で、「大字仮名運動」の爛熟期にあって、仮名の新しい表現を展開した。公募展などの展覧会における作品発表が主流となった今日、小山は大規模な会場での展覧会での展示を意識した大型作品を制作したが、単に額や文字を大きくするのではない、仮名の表現性を志向した。小山は若い頃に東京国立博物館に足繁く通い、古筆を熱心に鑑賞しており、古筆の丁寧な臨書と古典の内容理解が重要であると述懐しているが、小山の作品は、こうした経験に裏付けされた古筆の格調高さと、特別に誂えた紙・表具裂を用いた現代的な造形感覚とが調和したものであるといえる。 本品は平成14年(2002)に毎日書道会の「現代の書 新春展」に出品したもので、『貫之集』所収の和歌3首を書写したもの。書き始めは行頭低く、字を小粒にするが、中程に至ると行頭を高くし、字を大きく変化させる。この運筆のリズム感、墨の渇潤、転折により、古典の情感を表現しようとした作品であると位置付けられる。
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小山やす子(こやまやすこ、1924-2019)は、現代の書壇を代表する書家の一人。川口芝香(1896-1981)に師事。日展会員賞(平成8年〈1996〉)、毎日書道展文部科学大臣賞(平成14年〈2002〉)、第44回毎日芸術賞(平成15年〈2003〉)、恩賜賞・日本芸術院賞(平成21年〈2009〉)を受賞し、また旭日小綬章(平成15年〈2003〉)、紺綬褒章(平成25年〈2013〉)を受章するなど、輝かしい業績を誇る。さらに平成28年(2016)には、書の分野で女性初の文化功労者に選出された。毎日芸術賞を受賞した「伊勢物語屏風」(成田山書道美術館所蔵)は、小山自身そして平成を代表する仮名作品の一つである。
小山の書は、ダイナミックでのびのびとした華やかな書風が特徴で、「大字仮名運動」の爛熟期にあって、仮名の新しい表現を展開した。公募展などの展覧会における作品発表が主流となった今日、小山は大規模な会場での展覧会での展示を意識した大型作品を制作したが、単に額や文字を大きくするのではない、仮名の表現性を志向した。小山は若い頃に東京国立博物館に足繁く通い、古筆を熱心に鑑賞しており、古筆の丁寧な臨書と古典の内容理解が重要であると述懐しているが、小山の作品は、こうした経験に裏付けされた古筆の格調高さと、特別に誂えた紙・表具裂を用いた現代的な造形感覚とが調和したものであるといえる。
本品は平成14年(2002)に毎日書道会の「現代の書 新春展」に出品したもので、『貫之集』所収の和歌3首を書写したもの。書き始めは行頭低く、字を小粒にするが、中程に至ると行頭を高くし、字を大きく変化させる。この運筆のリズム感、墨の渇潤、転折により、古典の情感を表現しようとした作品であると位置付けられる。
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