当サイトではJavaScriptを使用しております。 JavaScriptをONにして再読み込みを行ってください。
尉面は、翁系統を別にすれば能面で老翁を表わす面としてもっとも品位が高いとされ、「高砂」や「弓八幡」など、後に神が本体を現す能の前シテの老人に使われる。小尉は、観世形ともいわれる上品なタイプが主流であり、観世の面の温和でくせのない表情を写したものと考えられる。観世家の小尉の写しとして知られる愛媛・東雲神社所蔵の小尉(出目洞白〔満喬〕作 17-18世紀)や大倉集古館所蔵の小尉(出目甫閑〔満猶〕作 享保15年〔1730〕)に比べると、この面は頬骨の下の肉の削げ方が少なく、上唇の中央が尖っていない。上述の2面より時代がやや下がると考えられる。面裏は丸鑿痕を残し、茶色に漆塗りする。額の右に「小尉」の墨書と「作」の朱書。左に「力」を墨書する。
画像のご利用について
前のページへ戻る
ページの先頭へ戻る
尉面は、翁系統を別にすれば能面で老翁を表わす面としてもっとも品位が高いとされ、「高砂」や「弓八幡」など、後に神が本体を現す能の前シテの老人に使われる。小尉は、観世形ともいわれる上品なタイプが主流であり、観世の面の温和でくせのない表情を写したものと考えられる。観世家の小尉の写しとして知られる愛媛・東雲神社所蔵の小尉(出目洞白〔満喬〕作 17-18世紀)や大倉集古館所蔵の小尉(出目甫閑〔満猶〕作 享保15年〔1730〕)に比べると、この面は頬骨の下の肉の削げ方が少なく、上唇の中央が尖っていない。上述の2面より時代がやや下がると考えられる。面裏は丸鑿痕を残し、茶色に漆塗りする。額の右に「小尉」の墨書と「作」の朱書。左に「力」を墨書する。
画像のご利用について