QR de きゅーはく - 作品紹介

広開土王碑拓本

( こうかいどおうひたくほん )

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作品解説

 高句麗の全盛期を現出させた広開土王(在位391~412年)の勲績を後世に示すため建てられた広開土王碑の拓本。広開土王碑は古代東アジアで最大の石碑であり、1880年頃に発見されて以降、幾度となく拓本が採られた。拓本のなかには、風化や欠損により見えなくなった文字を明瞭にするため、碑面に石灰を埋めて採拓した「石灰拓本」が1885年前後より出現する。埋めた石灰は時間の経過によって剥落し、拓本の余白の大きさや一部の文字の形状に影響した。本資料は裏面に石灰の粉がわずかに残っていたことから、石灰拓本であることが明らかである。また、余白の大きさや特定の文字の形状から1934年前後に採拓されたものと考えられる。原碑4面すべての拓本が揃い(展示ケースの制約上、展示は2面ずつ)、文字の状態によって採拓時期を特定することができることから、歴史資料として極めて貴重である。

作品データ

分野
歴史資料
員数
4面(うち2面を展示)
制作地
原碑:中国・吉林省集安市
品質形状
拓本
法量(cm)
第1面:縦572.0 横168.7 第2面:縦570.3 横145.0 第3面:縦570.9 横196.1 第4面:縦563.6 横139.1
時代
原碑:朝鮮・三国時代 採拓:中国・民国時代
年代世紀
原碑:414年 採拓:1934年頃
所蔵者
九州国立博物館
寄贈者
森山明之氏寄贈

大正年間に撮影された広開土王碑の古写真(東京国立博物館所蔵)

第3面上半分拡大

第3面下半分拡大

第4面上半分拡大

第4面下半分拡大